ユリアーモ体験記九日目 Naŭa Tago

最近のことになるが、エスペラント語検定に挑戦する猛者が増えているらしい。これは恐らく、『ことのはアムリラート』で学習意欲(という名の欲望)に火のついたヴィジタント達がエスペラント業界に参列してきているからだと思われる。

ところで、実際のところ『ことのはアムリラート』でプレイして検定合格できるのだろうか。検定経験者のSによれば「ゲーム単体だけの知識では難しい。”攻略本”を読み込んでおく必要がある」とのことだった。下記が代表的な所謂「攻略本」である(*あくまで通称でありSukera Sparo様から出版されている正式な攻略本ではないことに注意!)

さて、なぜゲームだけでは検定は攻略できないのだろうか?答えは至極単純だ:ゲーム自体がエスペラント語の学習目的のために作られていないから、である。実際、これでおよそ9日のプレイ日記を書き溜めてきたが、ゲーム中に全ての文法が説明されているわけではないということがわかってきた。しかし、それに何の問題があろうか?我々プレイヤーの目標はいかにルカを籠絡するか(と信じている)であり、検定試験が目的ではないことを思い出して欲しい。

一方で事実、勉強モードがなく、ゲームの中でちょこっとだけ顔を出している文法がある。それを身につけるとエスペラント語の語彙力は爆発的にあがり、勉強が楽しくなることは間違いない(ただ強調しておくがゲームプレイにはあまり役に立たない)。加えて、二次創作などにも役立てられる。そのような文法事項はいろいろあるのだが、今回特に触れておきたいのは下記の文法だ。

それは「分詞」である。実は劇中で「あるよあるよ、ありえないって!X( 」と凜が大量の接尾辞に悶絶するシーンがあるが、実はその接尾辞の山の中に「分詞」が紛れているのである。

実はこのシーンで上げられている多くの接尾辞は、基本、名詞につくものがほとんどだ。実際その一つの使い方はすでに序盤でルカに無理やり(?)習わされている。「パネーヨ(pan-ejo)」のところと言えばわかっていただけるだろうか?

この”-ej-“というのはどうやらドイツ語の”-ei”という接尾辞が元になっているらしい。例えばドイツ語で「パン職人」は”Bäcker”であるが「パン屋(パンを焼き、製造する場所)」となるとこれに”-ei”がついた”Bäckerei”となる。

エスペラント語にはまだまだ、この”-ej-“以外にも様々な接尾辞がある。その中には「動詞」にくっついて、形や意味を変える接尾辞が少しある。これが前述した「分詞」である。これには色々な使い道があるが、例えば名詞を表す”-o”と組み合わせて「〜する人/もの」という意味の名詞を作れる。

代表的な分詞を用いた単語はやはり:

vizitanto

…になるだろう。この名詞は”vizit-“という動詞の後ろに”-ant-“という語尾をくっつけて作られている。”viziti”は「訪問する」「訪れる」という意味なので、これに現在形の「〜をする」という分詞”-ant”と名詞を表す”-o”が組み合わさっているのである。改めて組み合わせを書くと次のようになる:

vizit/ant/o

…となる。この時間の表現は動詞の語尾と同じで、”-ant-“の”a”を他の母音に交換すればいい。とても簡単だ。”vizit-“の例の一覧を作ると、次のようになる。


vizit-ant-o 

現在 「訪れる人、訪問する人、訪問者(アムリラート用語)」

 
vizit-int-o

過去 「訪れた人、訪問してきた人」

 
vizit-ont-o

未来 「訪問してくる人、訪問するつもりの人」

さらにこの仲間には受動「〜られる、〜される」という意味をしめす分詞”-at-“,”-it-“、それから”-ot-“がいる。そして、さらにそれらの語尾を名詞の”-o”ではなく形容詞の”-a”や副詞の”-e”に変えると…?これから先は初級終盤、中級レベルになると思うのでここで止めておく。

いずれにしても分詞を覚えると、このように表現がグッと広がるのだ。レベルが上がると分詞を使って接続詞を省略したり、関係代名詞を省略したりと、よりハイレベルで文学的な表現が可能となる。これであなたもエスペラント語の世界へのヴィジトントになったと思う。

ゲームのエンディングももちろんのこと、文法の学習も一気に進めたいと思いませんか?

画像の著作権はSukera Sparo様に帰属致します。

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