ユリアーモ体験記五日目 Kvina Tago


司書さんのレイさんが涙を流した。

ちょっとしたことで二人っきりでユリアーモを教えてもらうことになった。ルカとは違い、コミュニケーションが取れることが幸いし、物語がスムーズになったように感じる。恐らくそれは筆者だけでなく、圧倒的な文法の練習や単語の波に押し流され、溺死しようになっているプレイヤーの方々にも彼女のレクチャーは本当に貴重なものになっているに違いない(多分、もしレイルートがあるとしたならば、ここでルカからルートを乗り換えようとした人もいるだろう)。

そして、文法だけでなく、『ことのはアムリラート』の世界の全容が徐々に明らかになってきた。どのような世界なのか、レイさんは何者なのか、ユリアーモとはなんなのか、「エスペラント」とは何なのか。いろいろあるがここでは多くを語るまい。

そして、レイさんが泣いた理由。貴方がその理由を知るためには、鬼のようなレッスンを乗り越えるしかないのだ…!

あとゲームがどれくらい続くのかは分からない。ここで私たちができることはレイさんが教えてくれたユリアーモを一生懸命に復習し、バッドエンドに持ち込まないことしかないだろう。


例えばレイさんには不定詞を教わった。不定詞といえばありていに言うと辞書の見出しに載る動詞の形のことだ。英語の授業でももしかしたら”to 不定詞”というような名前で教わっているかもしれない。

オックスフォードから出ているP.H.Matthewsの『簡約言語学辞典(Concise Dictionary of Linguistics)』の説明部分の一番頭の部分にはこう書いてある:不定詞とは「他一方の動詞に従属する他の構造に置かれているか、あるいはある節で特徴的に用いられる”定まっていない”動詞の形のことである」とのこと。うーん、説明したいのか説明したくないのか。

なぜ「定まっていないこと」がこんなに強調されるのか?「不定詞」については次のように考えられる。第一に、エスペラント語の基となったヨーロッパの言葉の動詞と日本語の動詞との根底的な違いは、話し手の情報が動詞の形に含まれているのが大きな違いだと考える。例えばいわゆる「人称」、すなわち「誰がしゃべっているのか」や「その人は一人なのかたくさんいるのか」ということはヨーロッパの言葉の変化には強く影響するが、日本語でそれらについて動詞の形から読み取るのは難しい。すなわち、ヨーロッパの言葉の動詞にはそのような情報が組み込まれているのが当たり前なのである。一方で、いわゆる「不定詞」は形を見ても動詞であること以上の条件が全く読み取れない。どこの誰で何人が主語なのかパッと見て分からず、人についての情報が定まっていないように見える。このような観点からすると確かに「不定」な言葉と呼ばれるのも納得がいくのではないだろうか?

さて、レイさんが解説してくれるように、不定詞の一番大きな使用法は日本語でいう「〜すること」という意味に使うことだ。例えば:

Paroli“「しゃべること」

…というように。これに目的語もつけらえる。そして「〜は〜である」を意味する”estas”を組み合わせると、例えば次のようになる。

Paroli Juliamon estas interese*” 「ユリアーモをしゃべることは興味深い/おもしろい」

…となる。

二番目に、といっても一番目と同じくらい使用頻度は高いのだがいわゆる「補語」として使われることも多い。主語や目的語の補足説明のために置かれる単語のことである。例えば:

1.Mia hobio estas legi 「私の趣味は読むことだ」

さらに一番でも例文で触れられているが目的語もつなげられる:
2.Mia hobio estas legi libron 「私の趣味は読書/本を読むことだ」

上記の場合、主語について補完説明を行っていることが分かる。次は目的語の補語のパターンだ。

3.Mi vidis lin aĉeti videoludon “Kotonoha Amrilato”, kvankam li estas maljunulo.
「年配者にもかかわらず彼が『ことのはアムリラート』というゲームを買っているのを目撃した」

この場合は太線が”lin(彼を)”を説明していることが分かる。
このほかにもまだまだ不定詞については語らなければならないこと(目的語になることとか前置詞とくっつける等)があるのだが、今回は一旦筆を置こうと思う。しかしながら、不定詞を上手く扱えるようになればエスペラント語での表現力は大きく向上する。レイさんを攻略する前に不定詞をまず攻略するといいかもしれない。

*ユリアーモ変換プログラムは夏野すぐる様に使用の許可を頂きました。感謝申し上げます。
*掲載許可はSukera Sparo様に頂いております。画像の著作権はSukera Sparo様に帰属致します。
*修正致しました。「interesa→interese」。誤字失礼致しました。

“ユリアーモ体験記五日目 Kvina Tago” への2件の返信

  1. ”Paroli Juliamon estas interesa.”
    正しくは、”Paroli Juliamon estas interese.”ですね。
    エスペラントでは、動詞不定形が主語の場合に、叙述語(英文法でいう補語)は副詞になります。英語では形容詞なので、間違える人がけっこう多いですね。

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