ユリアーモ体験記四日目 Kvara Tago

 

さて、ついに四日目にして単純な疑問文が登場した。凜も「これは何ですか?」という質問に対して「これはXXですか?」という答え方を学んでいく。そのため、プレイヤーも野菜や料理の道具の名前を覚えなければならない。個人的にはエスペラント語を使って料理した経験が浅いので、調理器具の名前を幾分か勉強できたことに満足している。「ボール」でつまづいてしまったのは内緒の話だ。

なんで”Ĉu”を頭につけるのか?実はこの”ĉu”はけっこう奥深い。

まず英語と違いエスペラント語がなぜ”ĉu”を使うようになっているのかは明快だ。何故ならそれはポーランド語の構造を真似ているからと考えられるからだ。というのも、ザメンホフが1887年にエスペラント語の教科書を書いた言語の中でこのような構造を持つ言葉はポーランド語しかない。その上、ポーランド語はザメンホフの故郷ポーランドの言葉だ。この2点からその可能性は大きいと思われる。

さて、下記に主な使い方を対比させた。

■エスペラント語/ユリアーモ
Ĉu vi parolas en Juriamo?
(あなたはユリアーモを話しますか?)

■ポーランド語
Czy mówisz w juliamo?
(あなたはユリアーモを話しますか?)
*ポーランド語では動詞の形で誰が話しているかわかるので”vi”は省略されている

ただしかし、なぜザメンホフがこの重要な部分にポーランド語の構造を取り入れたのかはわからない。多少なりとも、自分の祖国の名残を残したかったのではないのか、と想像してしまう。

ところで、ポーランドを含めたバルト海の沿岸諸国の言葉は、いわば「Ĉu-文化圏」と言えるだろう。すなわち単純な疑問文には頭に何かしら、ĉuに相当する単語を置き、平常文か疑問文の区別をつける構造になっている。例えばウクライナ語は”чі”、エストニア語は”kas”のように(しかしながら、なぜかエスペラント語の改良版「イド」ではKa(d)になってしまっている)。

このように”ĉuは”単純にエスペラント語の疑問文のパーツであるだけでなく、見方によってはザメンホフの郷土性について論じる素材にもなり、またポーランドだけでなくヨーロッパのバルト諸国という地域を論じるためのヒントにもなるのだ。このような意味で”ĉu”はとても奥深い。

プレイヤーの方々にも是非、歴史の重みを込めながらエスペラント語/ユリアーモで質問してほしい。

*ユリアーモ変換プログラムは夏野すぐる様に使用の許可を頂きました。感謝申し上げます。
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