ユリアーモ体験記三日目 Tria Tago

「うわーっ、なんじゃこりゃーッ!」と思わず悲鳴をあげた。文字の練習の紙をちゃっちゃとめくっていたら、視界に大量の数字が書かれた紙を流し込まれた。数学が苦手だった著者の身としては目を覆う光景である。

しかしながら、幸いにもこれは私たちの世界でいう「エスペラント語」。覆った目から手を離しゆっくり文字を見てみると馴染みの言葉の数々が視界に入る。さっと見て、「わかる、わかるぞ」とまるでどこかの大佐のような気持ちになる。実は今の所、あんまりユリアーモ文字を見ていない(ごめんなさい)。振仮名をエスペラント語の知識で判別し進めている状態なのだ。しかしながら、文字を除き「本物のエスペラント語とは全然違うよ!」というような表現や言い回しは出てきていない。このため、数詞も全然苦にならず2~3分で数字のクイズを終わらせることができた。

ところで、エスペラント語は言うまでもなく人工言語であるが、その数はどこからやってきたのだろうか。そんな素朴な疑問から下記に一覧表を作ってみた。

左上にエスペラント語を配置し、左縦の行にエスペラント語の数詞を配置した。そして、右に向かって行に適当に選択したヨーロッパの代表的な言葉と申し訳程度のインド要素を並べた。そのそれぞれの縦列はそれぞれの言語でエスペラント語の数詞に対応する単語だ。黄色の文字はエスペラント語の数詞と視覚的に比較して、似ているものの値に色をつけている(あくまで主観によるものであり、学術的に配色しているわけではないことに注意)。

ここで特徴的なのが目で見てみるとほとんどラテン語とよく似ている、ということだ。有り体に言ってしまえば、ラテン語の数詞の前半分だけを取ってきたり(quīnque→quīn→kvin)、発音を多少変えたり(sex→ses)しているようにも見える。9に当たる”novem”も後ろがなくなれば”*nov”となり、かなりエスペラント語に雰囲気が近くなるだろう。数に関して言えば、ロマンス語の数詞がベースとなっていると考えたほうがいいのかもしれない。例えば田中克彦はBlanke Detlevの著書を引用してエスペラント語を構成する言葉の割合をロマンス諸語から75%としている(2)。

Blanke氏の統計を信じれば、エスペラント語の語彙の起源はすなわち大部分がラテン語やその子孫であるフランス語、イタリア語、スペイン語などが属する一群で占められていると考えられる。確かに例えばスペイン語からエスペラント語へのパラレル対訳などを行ったりすると、語彙がほぼ同じであったり、文の構造がとても似たものが出来上がる。それはときどき”自然すぎて”「どこか間違っているのではないのか」、「もっとエスペラント語的に訳すべきだったのか」と当惑するレベルである。

『ことのはアムリラート』のユリアーモの単語学習は遊ぶために必要だが、ゲーム内の学習プログラムは遊びではなく本気のものなので真面目に勉強するとエスペラント語で人生をもっと遊ぶことができるようになるだろう。筆者も真面目にユリアーモ文字の勉強をして『ことのはアムリラート』をちゃんと遊べるように努力したい。

ところで関係ない話だが凜に「念押し、連続、刷り込みだ!」と連呼されると『賭博破戒録カイジ』のカイジの声で「念押しッ…!連続ッ…!!刷り込みだッ…!!!」と頭の中で再生されるのは筆者だけなのだろうか?ザワザワ

引用:
(2)田中克彦『エスペラント 異端の言語』岩波新書,2007,77p. 3行-78p.1行

参考:
一覧表
1.岩崎務『CDエクスプレス ラテン語』白水社,2004

2.田中敏雄,町田和彦『CDエクスプレス ヒンディー語』白水社,2003

3.田中利光『新ギリシャ語入門』大修館書店,1994

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